2010年9月12日日曜日

シー・カヤックにてグレーシャー・ベイへ ③


マックブライド氷河(McBride Glacier) を後にし、グレーシャー・ベイ内のEast Armをひたすら南下。南東アラスカには大変珍しい青空の下、なめらかな海をカヤックはすべるように進む…。

Mt. Wright(ライト山)を望む美しい浜辺にてキャンプ…。

ところが浜辺にクマによって掘られた2つの大きな穴を発見…。クマが昼寝に使う穴らしく、辺りにはたくさんの足跡がついていてるだけでなく、クマの糞も残されていた。アラスカの原野にはまだまだかなりの数の野生グマが生息しているのだ。

クマの痕跡よりも厄介なのは虫だ。アラスカの州鳥は蚊という冗談があるほど、蚊の猛攻撃に悩まされた。蚊だけではなく、小さなハエまでが刺してくる。ちなみにアラスカの州鳥はライチョウ、長野県の高山地帯に住むライチョウと同種だ。

翌日は朝から霧雨の降る暗い一日。灰色の雲が空をおおい、眼前のライト山、および対岸の山々までもすっぽりと覆い隠してしまった…。雨は一日中降り続いたが、幸い風はなかった。雨の中ひたすらカヤックを漕ぐ…。

小さな島にて雨の中、テントを立てる…。

翌朝も雨。シーブリー島にて、迎えの舟を待つ…。時間通りのピックアップ。カヤックを積み込み、3日間の原野での旅に終わりをつげ、暖かい船室とトイレ、文明のありがたさを感じる。

2010年9月1日水曜日

シーカヤックにてグレーシャー・ベイへ②リグス氷河&マックブライド氷河

リグス氷河(Riggs Glacier) の下で迎えた朝は、幻のように白い霧に包まれていた。眼前の海峡ですら見えないほどのあつい霧だ。
少しづつ薄れてく霧の上から、日が差しはじめて、氷河をおおっていた白いベールが少しづつ開き始めていった…。霧の中から垣間見える白い氷河の姿はこの上なく神秘的だった。

氷河から溶け出し、長い年月をかけて堆積した泥が美しいパターンを作り出していた。自然の生み出した見事なデザインにはいつものことだが感銘をうける…。

霧が次第に薄れ、見事な青空が広がり始めた。

リグス氷河から南下し、マックブライド氷河(McBride Glacier) へ…。マックブライド氷河はグレーシャー・ベイ内の他の氷河同様後退しているものの、現在でも活発に氷山を生み出している。後退した氷河の入江には家や車を上回る大きさの氷山が隙間なく浮かんでいた。無数の白い氷の塊が岸に打ち上げられ、地球上のものとは思えない不思議な世界を作り出していた。