アメリカ本土よりアラスカに移り住んでから、毎年冬の撮影プロジェクトを兼ねてハワイの島々を訪れるようになった。オアフ、ハワイ(ビッグ・アイランド)、マウイとくれば、次はカウアイだ。ハワイ諸島最北端に位置するカウアイ島は、ハワイの島の中でも地学的に一番古い島だ。年間の降雨量が多いために緑が豊富で、別名「ガーデン・アイランド」(庭園の島)と呼ばれている。変化に富んだ大自然が小さな島にぎっしりつまっており、写真家にとってカウアイは大変魅力的な島だと思う。
こちらは、カウアイ島北部のハナレイ湾にて撮影した夕焼け。西に傾いた太陽が、雲を黄金色に照らし出し、沈んだ直後に空を紅色に輝かせた。紅色の空を映しだした海面も明るい夕日の光に染まった。
霧雨のベールに包まれたハナレイの風景は、とても神秘的だ。ローカルのサーファーが2匹の犬たちと波を超える。カウアイに滞在中、この美しいハナレイ湾に惹かれて、何度も足を運びんだ。込み合う週末のビーチを犬たちを乗せてさっそうと波を漕ぐ日焼けしたサーファーをカメラで追っていると、ビーチを自転車で走るローカルがやってきて教えてくれた。このサーファーは地元では有名らしい。
カウアイ島東海岸、カパアでの日の出。ヤシの木のシルエットは定番だけど、ハワイに来るたびに撮影してしまう。
シダの洞窟と言われるこの溶岩洞窟はワイルア川沿いの緑のジャングルに囲まれていて、私有地内のため撮影の手段はツアーボートのみ。限られた時間内で急いで撮影した中の1枚だ。
カウアイ島の中でも息を飲む絶景、ワイメア渓谷。スケールこそは異なるとはいえ、「太平洋のグランド・キャニオン」と呼ばれている。確かに似ているけれどこちらの方が緑が多くて、写真写りがいい。
カウアイ島にも、ハワイ諸島特有の野生動物に出会うことができた。ハワイ・ガンとも呼ばれるネネが今回たくさんキラウエア・ポイント自然保護区に集まっていた。人間を恐れずマイペースなこの鳥は、車にひかれることもよくあるという。
ビーチで昼寝中のモンク・アザラシ。
カウアイでもっとも有名な野生動物といえば、ニワトリ。もとは家畜だったニワトリが野生化し、繁殖を繰り返し、現在では島中のどこにでもいるのだ。空港からビーチ、駐車場、公園から道端をうろつき、いぴっき現れたと思うとどこからともなく仲間が合流する。この写真は、ワイメア渓谷内のキャンプ場にて撮影したものだ。キャンプ場内をウロウロと歩き回りエサを探す。人間を見つけると集まってきて餌をねだる。夜明けとともに、一斉に時を告げ始める。明け方からずっと合唱が続くという、カウアイならではのキャンプになった。
カウアイ島は変化にとんだ自然の風景に恵まれていて、撮影のポイントは限りないけど、今回の目的は「最も美しいハイキング・トレイル」の中で常に10位以内に上がるナ・パリ・コーストのカララウ・トレイルを歩き、11マイル(約18キロ)の終点にあるカララウ・ビーチにてキャンプし、撮影を行うことがメインだ。3泊4日の工程で、カメラ機材とキャンプ用品を背負って、泥にぬかる雨の中、滑りやすい岸壁のトレイルを歩き2日かけて訪れた先の楽園は…、次回のブログで紹介する予定です。2、3週間後ぐらいにチェックしてください。