アンカッレジから南下して1時間ほど、海岸沿いにため息の出るような風景が現れる。太古の昔、この辺り一帯をおおっていた氷河によって削られた海岸線。チュガッチ山脈の険しい山々が、海を囲むようにそびえる。緑が色濃く、春から夏にかけて様々な野草が花を咲かせる。ハクトウワシが空を舞い、ドール・シープが岸壁に群れる。何度訪れても、新たな感動に包まれる。特にこの新緑の時期が私のお気に入りだ。
青い空の下、白樺の森の中を歩く…。新緑の「春の香り」に包まれる。冬がやっと終わって、アラスカの短い活動期が始まったばかりだ。森が開け、眼下に山と海のパノラマが現れた!場所を選んで三脚を立て、撮影を行う。
白樺の葉はまだ黄緑色、対岸の峰にはまだまだ雪が残っている。アラスカの季節の移り変わりは早い。間もなく、この辺りも鮮やかな野草に飾られる。