ここワイオミングに来て早くも2ヶ月、スノーシュー・ハイキングにはまっている。雪の深いTogwotee Pass周辺を探索し、撮影を行うのには、スノーシューが一番!深い雪の表面を沈むことなく歩いてけるのだ。先日、Angle Mountain〔アングル・マウンテン〕をスキーヤーの友人達と共に登頂した。Angle Mountainは標高約3,100m、トレイル・ヘッドから500m、急角度にそびえている。この冬、頻繁にスーノーシューをはいて歩き回っているけれど、この急な角度を登るのは初めて。友人達は、スキーを履いたまま50度以上もある急勾配を登っていくのだった。
この日は一日中雪・・・。時折、雲の合間から日が差し、青空が顔を出すものの、すぐに厚い雲が空を覆い隠してしまった。深い雪の中、急な斜面をジグザグに登り、木々の間を抜け、何とか尾根にたどり着いた。尾根に立つ雪に覆われた木々の美しさに感動・・・。最近、アウトドア・スポーツの撮影も行っているので、2人の友人は格好のモデルになった。急な斜面から飛び降り、パウダースノーを撒き散らし、一気に駆け下りていく姿はなかなかのものだ。瞬く間に下界に消えていった彼らの後を追って、スノーシューで必死に下った。雪はまだ降り続いている・・・。夕暮れの時が近づいているのか、辺りはいっそう暗さを増してきた。雲の合間から、わずかな光が顔を出し始めた。ちょうど西の地平線に、雲の窓が開き、沈みゆく夕日が最後の明かりを照らし出した。濃厚なオレンジ色の光が、重い雲の間からまばゆく輝き、下界にとどまる霧を黄金色に染め出した。西の空一帯が輝きを増し、地面に積もる雪や道路までが空の輝きを映し出していた。自然が見せくれた奇跡のような美しさに感動し、その瞬間に居合わせた喜びをいっぱいに感じながら、山を降りた。