3月中旬のグランド・ティトンはすでに春の陽気。今年は雪が少なかったけれど、春の訪れも一月ばかり早いようだ。すでにジャクソン周辺は雪が溶け、町中に自転車が出現。グランドティトン国立公園内も、まだ雪は残るものの、雪の間をぬって小川が溶け出している。日差しはすっかり春のものだ。
グランド・ティトン最大の湖、ジャクソン・レイクはまだしっかり凍っている。スノーシューにて、凍った湖の上を歩き、湖に浮かぶ小島や入り江を探索するのは冬の間にしかできない経験だ。
広大なジャクソン・レイクの他にも大小さまざまな湖が点在する。タガード湖 (Taggard Lake)やブラドリー湖 (Bradly Lake) などはティトン山脈の真下にあるから、夏の間はティートンの峰きれいに映しだすだろう・・・。この小さな湖群はスノーシューやクロスカントリースキーのトレイルとしても人気が高い。
湖を結ぶ小さな渓谷はすでに解け始め、雪の下を流れている・・・。すでに冬眠を切り上げたクマの足跡が湖の周りに残っていた。ティトンの山並みとスネーク・リバー、お気に入りの場所のひとつ。





ティートン山脈の山並みをバックにしたこの納屋はCMやポスターなどですっかり有名であり、写真家にはお馴染みのスポットだ。例に漏れず、この風景を撮影するのは数多くの目標の一つだった。特に雪景色の中、朝日を浴びてピンク色に輝く峰を撮影する機会を待っていた・・・。











先日、Angle Mountain〔アングル・マウンテン〕をスキーヤーの友人達と共に登頂した。Angle Mountainは標高約3,100m、トレイル・ヘッドから500m、急角度にそびえている。この冬、頻繁にスーノーシューをはいて歩き回っているけれど、この急な角度を登るのは初めて。友人達は、スキーを履いたまま50度以上もある急勾配を登っていくのだった。
この日は一日中雪・・・。時折、雲の合間から日が差し、青空が顔を出すものの、すぐに厚い雲が空を覆い隠してしまった。深い雪の中、急な斜面をジグザグに登り、木々の間を抜け、何とか尾根にたどり着いた。尾根に立つ雪に覆われた木々の美しさに感動・・・。
最近、アウトドア・スポーツの撮影も行っているので、2人の友人は格好のモデルになった。急な斜面から飛び降り、パウダースノーを撒き散らし、一気に駆け下りていく姿はなかなかのものだ。
瞬く間に下界に消えていった彼らの後を追って、スノーシューで必死に下った。雪はまだ降り続いている・・・。夕暮れの時が近づいているのか、辺りはいっそう暗さを増してきた。雲の合間から、わずかな光が顔を出し始めた。ちょうど西の地平線に、雲の窓が開き、沈みゆく夕日が最後の明かりを照らし出した。濃厚なオレンジ色の光が、重い雲の間からまばゆく輝き、下界にとどまる霧を黄金色に染め出した。西の空一帯が輝きを増し、地面に積もる雪や道路までが空の輝きを映し出していた。自然が見せくれた奇跡のような美しさに感動し、その瞬間に居合わせた喜びをいっぱいに感じながら、山を降りた。






