アンカレッジから見えるほどのオーロラが出るということは、北極圏に近い北へ行けば行くほど、活発で強いオーロラが見えるのだ。
9月初旬、カメラ機材とキャンプの準備をして、北へ、フェアバンクス方面に向かった。北へ向かうにしたがって天気は回復し、フェアバンクスに着くころには雲一つない最高の天気の恵まれた。
深夜零時ごろから薄いオーロラが出現。オーロラは次第に明るくなり始め、緑色の光のアーチが空をうねり始めた。湖の湖畔で撮影を始めるころには、明るいオーロラが空を駆け巡り、月と一緒にダンスを踊っていた。風もなく静かな夜空を、光のリボンは活発に動き回っていた。
今やオーロラは空全体に広がっていた。地平線からうごめく光が空を横切り、天空で波打つ。次第に薄くなっていくころには、また別の光が、地平線から出現する。終わりのない見事なショーが続いていく…。
明るい炎のような光が湖上に出現…。炎の先から光の矢が生まれ、空を駆け抜ける。
オーロラのショーは休むことなく続く。場所を移動し、もう一つの湖に着くころには、空はますます明るく照らされ、滑らかな湖面は鏡のように、明るい緑の光を映し出していた。湖に映るオーロラを撮影できるのは、湖面が凍結する前のこの時期だけ、ほんの短い間なのだ。様々な場所でオーロラを見てきたけれど、この日のオーロラは特別だった。光が地平線から真上、さらに反対側の地平線まで広がって、休むことなく動いていた。
波のようなオーロラ。
天空で渦を巻く光。
湖面の霧と緑の光が混ざり合って、幻想的な光景になった。
翌日、アラスカ東部、カナダの国境近くのトック(Tok)まで足を延ばした。その夜も見事なオーロラが、日暮れとともに空を駆け抜けた。次回は、トック北部で撮影したオーロラの写真を掲載予定。1週間後ぐらいにチェックしてください。