6月初旬、ルピナスの花畑での夕日の撮影をするために、理想の場所を求めて、アンカレッジから南の海岸沿いを探し歩いた。今年の冬は短かったから、春の訪れもいつもより一月ほど早かったとはいえ、満開はもう少し先のようだった。
なかなかイメージしていたような花畑は見つからなかったけど、そこそこ形の良いルピナスの一群を見つけて、背景になる海の向こうに陽が落ちるのを待った。6月といえばすでに白夜の季節の真っただ中、日没は午前零時近くになる。アラスカには珍しい快晴で、風も全くなく、野草の撮影をするには最高の環境だった。
太陽は時間をかけながら、海岸沿いの山の背後にゆっくりと沈んでいった…。
この日最後の光が、海辺の砂の模様を照らし出す。
こちらは、別の日に海岸沿いの山の上から撮影。ルピナスの青紫が、山の南斜面を覆っていた。
通常のルピナスは青紫色だけど、時々見かける紅色の花。
これを書いている現在は、すでにオーロラの舞う季節…。アラスカの夏は本当にあっという間に過ぎてしまう…。