9月に入って間もなく、晴天が続いた。海岸部に近いアンカレッジの木々はまだ夏の終わりの深い緑色。紅葉の大地を求めて、北へ向かった。約200マイル、300キロほど北上すると、森が開け、アラスカ原野特有のツンドラ地帯になる。どこまでも広がるツンドラの原野はすでに紅葉の真っ盛り!成熟したブルーベリーが見事な実をつけていた。山岳地帯を通過中に降り出した雨がやみ、太陽が顔を出すと、一面の紅葉が鮮やかに輝く。さらに絶好のタイミングで虹が架かった!
翌日、アラスカ東部のカナダ国境沿いまで足を延ばす…。色鮮やかな紅葉は、アラスカ中を染めつくしていた。写真はタナナ川と黄金色に染まる木々。
青空の下、黄色から朱色まで様々な秋の色に覆われた原野。短い夏の間に蓄えたエネルギーを一気に噴出するかのように、長い冬がやってくる前の最後の瞬間を色鮮やかに飾りつくしているかのようだ。
日没のひと時。紅葉の丘を、暖かい夕日が照らし出す。日暮れとともにオーロラが現れ、空一面を一晩中舞っていた…。(オーロラの写真は前回のブログに乗せました。)
翌日も素晴らしい快晴。どこまでも続く原野の紅葉と、名前すらない無数の湖。湖面には青空と険しい山々がくっきりと映っていた。息を飲むほど美しいこの風景は、都市部や観光地から離れた未開の場所にひっそり広がっている…。アラスカ原野にはこのような人知れない、かけがえのない場所がまだまだ残っている。この日、この場所に居合わせて、この瞬間を垣間見ることができたのは、まさに幸運だった。
アンカレッジへの帰路、チュガッチ山脈も赤く染まっていた。