2011年4月14日木曜日

夕焼けの空から垣間見たマッキンリー

ある冬の日の夕方に、フェアバンクス郊外の原野を小型飛行機で飛んでいた。フェアバンクスはアラスカ第二の都市で人口約3万5千人なのだが、ちょっと町を外れると、未開の大自然が果てしなく続く…。
小型機は山の間の谷間に沿って、蛇行しながら流れるチナ川の上空を風に揺られながら飛んでいく。真冬の山は雪に覆われ、凍りついた川には雪が積もり、上空から見ると白い一本の道のようだった。山がどこまでも続いていて、人間の痕跡はほとんど見当たらない。

太陽がゆっくりと地平線に沈んでいき、暖かいオレンジ色の光が空を包む…。はるか先の地平線上にアラスカ山脈の峰が険しくそびえていた。さらにその先に、なんと北米最高峰・マッキンリーが姿を現した!夕日に照らされて、ぼんやりと浮かび上がるシルエットはまさにデナリ(マッキンリー)の相貌をしていた。

日が沈むと辺りが淡いパステルカラーに包まれ、近くの峰を桃色に照らし出した。夢の中にいるような美しい瞬間だった。