8月も3週目を過ぎると、アラスカ内陸部には早くも秋の気配が漂いはじめる。白樺の葉が少しづつ色づきはじめたかと思うと、1週間もたたないうちに山全体が黄色に染まってしまう。アラスカの季節の変化はあっという間だ。わずか3ヶ月ほど前に、若葉が育ち始め、新緑が急速に山を駆け上っていったと思ったら、今はもう、すでに夏の終わりだ。
9月初旬の現在、フェアバンクス郊外はすでにすっかり秋になっている。この辺りの山一帯が黄金色に輝き、足元の小さな植物は鮮やかな朱色に染まっている。びっしりと実ったベリー類もすでに熟している。この時期は天気が安定しているし、ひんやりとした空気が実に心地いい。アラスカの自然が最も美しく輝く季節だ。
白夜の季節が終わり、夜の暗闇が戻ってきた。少しづつ日が短くなってきて、夜の9時ごろには夕闇が訪れる…。夜の訪れを待っていたかのように、オーロラが再び空を舞い始めた。野生に生きる動物たちは間もなくやってくる長い冬に向けて準備中だ。夏の終わりはどことなく寂しさが漂うけれど、これから訪れるオーロラの季節が楽しみだ。