2011年2月17日木曜日

アイス・ホテル(アイス・ミュージアム)

アラスカの厳しくも美しい大自然を追い続けて早くも数ヶ月…。今回は自然の恵みから生まれた氷の芸術を紹介したいと思う。

アラスカ第二の都市、フェアバンクスから約90キロほどの外れ、チナ・ホットスプリング・リゾートの中に建つ“オーロラ・アイス・ミュージアム”には、ゴッシク大聖堂をテーマとした氷のインテリア―氷で作られたシャンデリアが天井からつる下がり、80体にも及ぶ氷の彫刻が所狭しと飾られている。


中でも、4つの客室からなるアイスホテル・ルームにはそれぞれ、“ホッキョクグマ”“クリスマス”“塔”“女王の間”をテーマに氷のベッドや家具が置かれていて、“女王の間”の中には氷のトイレまで作られているのだ。そもそもこのアイスミュージアムは、アイスホテルと呼ばれていたのだが、スプリンクラーを設置していないため、消防法によりホテルとは呼べないそうで、アイスミュージアムと改名したそうだ。とはいえ、現在でもホテル客室として、1泊575ドルで貸し出しているとのことだ。575ドルの中には、普通のホテルの客室も付いてきて、ゲストはアイスルームとホテルルームを行ったり来たりできるそうだ。アイスベッドには、真冬用の厚手の寝袋が付いてくるという。ただし、氷のトイレはあくまでも芸術のひとつだから、ゲストはホテルルームの中の本物のトイレを使用しなくてはならないとのことだ。このアイス・ミュージアムに一晩貸切で泊まれて、575ドルは安いと考えるべきなのか…?
アイス・ミュージアムの目玉といえば、アイスバー。すべて氷で作られたバーのカウンターと椅子、周りを囲む氷の柱…、これだけでもかなりの芸術だ。特にすごいのは一つ一つ氷で作られたグラスでカクテルを注文できるのだ。

アイス・ホテルルーム、アイスバーの周りには約80体にも及ぶ氷の彫刻で飾られている。戦う騎士、2階建ての高さの塔、氷のチェス等々…は、冬の間に近くの池から切り取られてきた氷のブロックから彫られているそうだ。この氷の芸術はすべて、ワールド・アイス・チャンピオンの夫婦スティーブ&ヘザー・ブライスの作品だ。細部にわたって細かく彫られた氷の芸術は一見の価値あり。