2009年12月31日木曜日

明けましておめでとうございます

新年おめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。

ワイオミング州、ジャクソンホールにて

2009年12月8日火曜日

ランゲル・セントエライアス国立公園の野生動物

今回は、ランゲル・セントエライアスで出会った野生動物について書きたいと思う。

アラスカ州、ランゲル・セントエライアス国立公園での4ヶ月間の滞在中、数多くの野生動物を見る機会に恵まれた。ただ、この国立公園の動物たちは、見られることに慣れているデナリの動物たちと違って、かなり臆病だから、めったに人前に姿を現さない…。アメリカクロクマ(Black Bear)も何度も見かけたのだが、撮影には成功しなかった。

今年は野ウサギ(Snowshoe Hare)の当たり年だったようで、道を歩けばウサギに出会う…。わずか5マイルのマッカーシー道をバンに揺られていると、20分足らずの間に、10羽以上のウサギが道を横切るという状態だった。

ヤマアラシ(Porcupine)もよく見かけた。あまり人間を恐れないため、間近での撮影が出来たが、あまり近づきすぎると全身の毛を針のように逆立てるから要注意。

アラスカの州鳥、日本の高山にも生息するライチョウは、冬の真っ白な羽毛から、夏には目立たないカモフラージュへと変わっていく。ただ、春の時期のライチョウは半分が白、半分が茶褐色という面白い外見をしている。

その他、グリズリーやドールシープも生息しているのだが、ドールシープは険しい高山にしか住まず、滞在先のケニコット周辺では10年以上もグリズリーの姿は見かけられていないという。

さて、ランゲル・セントエライアス国立公園についてのブログは今回でおしまいとさせていただきます。12月7日より4ヶ月ほど、ワイオミング州ジャクソンの北東、テートンの麓に滞在し、撮影を行います。次回からは、ワイオミングの自然について書きたいと思います。

2009年9月20日日曜日

空から見たランゲル・セントエライアス国立公園

アメリカ最大の国立公園、ランゲル・セントエライアスはその広大な面積に8000メートル級の山脈、無数の氷河を抱えているのだが、そのほとんどが道もない未開の自然に隠されたままだ。この広大な公園を体験するには、ブッシュプレインと呼ばれるセスナに乗って、険しい峰の間を飛んだり、谷を埋め尽くす氷河を空から見下ろすのが一番だ。幸いにもこちらに来てから数回、セスナに乗る機会に恵まれた。

5月下旬、セントエライアス山脈の上空を飛んだ。雲の間を抜け、氷河を抱く切り立った山頂に手が届きそうなくらい近づいた。雪に埋もれた頂上が次から次へと現れ、広大な氷河が視界に広がっていた。現実とは思えないくらい、感動的な光景だ。
数え切れないくらいの氷河が山から流れ、谷を埋め尽くす巨大な氷河に合流していく…この自然のドラマが人知れず数千年、数万年と続いているのだ。
また、この国立公園を流れる主な川の上空を飛んだ。氷河から溶け出た水から始まった川は次第に大きくなり、網の目のように広がって流れていく…。うす曇りの空から差したわずかな光を写して川が銀色に輝いた。厳しい自然の見せてくれる、一瞬の美しい光景だった。
私の住むケニコット上空を飛び、ブラックバーン山の峰をかすめた。ルート氷河がケニコット氷河に合流する地点を空から見下ろした。低空飛行で、真下に広がる氷河は迫力ものだった。

2009年9月10日木曜日

ケニコット・ミル(銅精錬所)・タウン (Kennicott Mill Town)

険しいい高山、氷河に抱かれるようにひっそりと建つ赤い建物…。ランゲル・セントエライアス国立公園の中心部ケニコットはかつて銅鉱山の町として栄えていた。1,900年、当時未開の荒野ケニコット氷河沿いの一帯に純度の高い銅鉱石が発見されて以来、当時最新の技術を誇る精錬所と労働者の生活の町が建てられ、鉱石を運送するための鉄道が急速に引かれた。厳しい労働条件の下、一時期は600人にも及ぶ労働者が、鉱山および精錬所で働いていた。

1938年に鉱山が閉鎖された後、ケニコットはゴーストタウンとして忘れられていたのだが、観光の名所として、近年再び注目を集めている。1980年、ケニコットを含むこの広大な一帯が、ランゲル・セントエライアス国立公園として指定され、ケニコット・ミル・タウンは国立歴史的建築物(National Historic Landmark)に登録された。精錬所をはじめとする当時の建物は、国立公園局によって修復保存が続けられている。

こちらに来て4ヶ月間、自然風景に加え、ケニコット・ミル・タウンの撮影をしてきた。様々な天候、時間帯に撮影してきたが、やはり夕日の下で赤く輝く時が、一番のお気に入りだ。

2009年8月29日土曜日

ブラックバーン山&ルート氷河


5月中旬より、アラスカ州ランゲル・セントエライアス国立公園、ケニコットに滞在しています。私の住んでいる所はちょうどルート氷河がケニコット氷河に合流する地点、氷河によって運ばれてきたモレインという土砂堆積物が数キロ続いています。
こちらに来てから移り変わる季節の中で、この氷河の撮影をしてきました。幅が数キロにもわたる氷河の上をを歩いていると、まるで別の惑星を歩いているような不思議な気分になります。遠くから見ると平らに見える氷河も、山あり谷ありで、溶け出した水が小さな川を作り湾曲しながら外へと流れていきます。その水が滝を作り、さらに無数の小さな湖がひっそりと人知れず空色の水をたたえています。深い空色は自然の作り出した色で最も美しく、淵に立っていると、吸い込まれていきそうな錯覚を感じます。
背景の白い山は、マウント・ブラックバーン、標高約5,000m、アメリカで11番目の高さを誇る巨峰です。晴れた日には私の部屋の窓からも、ブラックバーンが見えますが、やっぱり氷河の背景に見えるブラックバーンの風景が気に入っています。

2009年8月18日火曜日

ランゲル・セントエライアス国立公園

アラスカ、ランゲル・セントエライアス国立公園に到着して早くも3ヶ月が経ちました。遅くなりましたが、やっとブログにアクセスできるようになりました。

全米最大の面積を誇る国立公園、ランゲル・セントエライアスはアンカレッジの北東に位置し、車で約10時間かかりました。公園内には、ランゲル山脈、セントエライアス山脈、チュガチ山脈、アラスカ山脈の高峰が軒を連ね、無数の氷河が横切ってます。国立公園とはいえ、観光開発はまだあまり行われておらず、雄大な原野が保護区として残されています。

3ヶ月の間に、早春から春、短い夏、そして夏の終わりと季節は次々と移り変わりました。滞在先のケニコット周辺を中心に、雄大な山々、氷河、野生動物などの撮影を続けています。 5月中旬から6月にかけては晴天に恵まれました。グレンアレンを過ぎると、ランゲル山脈の高峰が眼前に広がります。氷河を抱く山脈が青空の下、白く輝いていました。(左から、Mt. Sanford, Mt. Drum, Mt. Wrangell, Mt. Blackburn)
ランゲル・セントエライアス国立公園にはムースを始め、数多くの野生動物が生息しています。
未舗装道路を60マイル(96km)走ると、かつて銅山で栄えたケニコットに到着です。採掘はもう行われていませんが、当時の精錬所等が歴史的建築物として保存されています。

2009年5月16日土曜日

ブラックベア

夕暮れの迫るメンデンホール氷河にて、友人のTJ と撮影をしていた。ここ数日間、周辺にクマが出没しているらしいという話を耳にした。ブラックベアとブラウンベア〔グリズリー〕両方を見たという話も聞いた。クマに出会いたいと思う反面、バス2台分の観光客が去ったばかり、あまり期待はしていなかった。

TJが、”Bear..." と言った時、単に冗談を言っているだけだと思った。
”そうね、じゃあクマを探してきてよ。”と軽く答えると、”そこにいるよ。”と私の後ろを指差した。

振り向くとクマがいた!若いブラックベアが30メートル程後ろにいた。

クマはゆっくりと逆の方向に歩き始めた。

木に咲いている花に興味を持ったようだ。2本足で立ち上がり、前足で枝を引っ張り、花を食べ始めた。オレンジ色の夕日の中で、しばらくの間戯れていた。

そしてクマはゆっくりと歩き出し、茂みの中に姿を消した。

ジュノー滞在最後の日、特別な出来事だった。

2009年5月15日金曜日

ジュノーの夕日

ジュノーは本当に雨が多い・・・。それでもジュノー滞在中に幸い夕日の写真を取る機会に恵まれた。

山と海の出会う風景がすっかり気に入ってしまった。

夕日①
その日は一日中快晴で、朝から晩まで写真撮影に走り回っていた。ダグラス島にて対岸のメンデンホール氷河を撮影したり、目の前の海を行き来する釣り船を眺めていた。長い一日が終わり、午後9時半過ぎ、太陽はようやく小さな島の後ろに沈んでいった・・・。

北国の日没は長い・・・。オレンジ色の時間が1時間近く続く。カップルのカヤックが夕焼けの中戻ってきた。

夕日②
この日の夕日は荘厳だった・・・。雨が一日中降り続いていたけれど、あきらめずに撮影ポイントに向かっていた。厚い雲の間の小さな隙間から、かすかな光が射しはじめた。そして、虹が現れた!

雨が降り続ける中、予定していた撮影ポイントに到着。わずかな光線が雲の隙間から射し、海面をスポットライトのように照らし出した。雲の一部が赤みをさしてきた。朱色の光線が、海を照らし出した。雨の日の終わりに自然が垣間見せてくれたすばらしい瞬間だった。

夕日③
この日も、一日中曇っていたが、雲の下から夕日が顔を出した。

夕日④
ジュノー最後の日は快晴だった。ダウンタウンの後ろに沈む夕日は、2隻のクルーズ船を照らし出し、海面をオレンジ色に染めた。

2009年5月14日木曜日

メンデンホール氷河〔アラスカ・ジュノー〕

雨が多いことで有名なジュノーですが、7日間の滞在中幸いにも2日快晴に恵まれました。

ジュノーのダウンタウンから約20分、住宅街を越えたところに、メンデンホール氷河が現れます。メンデンホール氷河はアラスカでも特に観光客が多く、私が訪れた時にも数台の大型バスが停まっていました。
ジュノーはまだ早春、氷河を囲む湖はまだ半分凍っていました。数週間前にはまだ完全に凍っていて、クロスカントリースキーで滑れたとか・・・。
その日の午後、ジュノー対岸のダグラス島にて。海の上に浮かぶようにそびえるメンデンホール氷河の眺めは最高でした。

2009年5月6日水曜日

フェリーにてアラスカへ

5月1日、ワシントン州ベリンハムは快晴。

午後6時発のフェリーにてアラスカの州都ジュノーを目指して出発しました。3日間の“宿”はフェリーの展望デッキ、ガラスの天井に暖房付き、眺めは最高です。巨大なバッグと小さいけど重いスーツケース(写真の機材入り)、さらにカメラバッグを引きずって、何とかデッキまで登りました。窓際を確保、デッキチェアに寝袋を敷いて、居心地の良いコーナーを作りました。 フェリーがベリンハムを発つとすぐに、丘の向こうから雪山、マウント・ベーカーが姿を現しました。
海は穏やかで、フェリーはほとんど揺れません。 北に行くほど日が長くなります。まだ5月だというのに、日没は8時過ぎです。北西の空がオレンジ色に染まり、太陽はゆっくりと海の向こうに沈みました。もう1隻のフェリーが夕日に向かっていくのが見えます。強風の中、ブレないようにカメラを構えて撮影しました。 翌朝、明るいオレンジ色の光で目が覚めたら、朝焼けで空が朱色に染まっていた…。あわてて、飛び起き、カメラを持って走りました。何とか日の出前に数枚撮影…。
残念ながら、日の出のすぐ後に太陽は厚い雲の後ろに隠れてしまいました。当日は1日中曇り、インサイドパッセージ特有の天気を早々と体験…。
フェリーはゆっくりとカナダ沿岸を北上し、アラスカに突入。ケチカン、ランゲル、ピータースバーグを経由して、5月4日ついに目的地ジュノーに到着しました。

2009年4月21日火曜日

日本語サイト開設!


英語版より2年遅れて、ついに日本語のサイトを作りました!

http://spiritofnaturephoto.com./Japanese/index_jp.html

今後も新しい写真を追加していきますので、ご訪問お待ちしてます!