2013年8月23日金曜日

ビッグ・アイランド(ハワイ島)③ジャングルと滝

 
ハワイといえばビーチというイメージが真っ先に浮かぶところだけど、ビッグ・アイランドことハワイ島には、荒々しい溶岩の台地から、深い緑に覆われたジャングル、さらに高さ4,000メートルを越える山まで、変化に飛んだ自然がひとつの島の中に収まっているのだ。

ハワイ島の東海岸側は年間降水量3,000mmを超える雨の多い地域。豊富な降水量と温暖な気候のため、植物は年間通じてグングンと成長するのだ。いままでいろいろなところを旅して、様々な自然の形を見てきたつもりだったけど、本物の熱帯雨林を目にするのは実は初めてだった。深い巨木に覆われた谷、垂れ下がるツル、巨木を取り巻くツタ、鬱蒼と暗い台地を覆うシダ類…、ひとくちに緑といっても無数の緑色の種類がある。この圧倒的な森の姿を写真で伝えることができるのだろうか…。
 
またこの辺り一帯の熱帯雨林には、緑の間を縫うように無数の滝が流れ落ちる。ハワイで最も有名なアカカ滝(Akaka Falls)もここハワイ島東海岸にある。緑の苔に覆われた断崖から垂直に落差134メートルという圧巻。滝つぼにはうっすらと虹がかかっていた。楽園という言葉がぴったり来るような、現実離れした光景だった。
 
落差30メートルのカフカ滝。

ハワイ島の自然の素晴らしさに、すっかり見せられてしまった。今回は移動が多く、各所の撮影にあまり時間を取れなかったのが残念。次回はもっとじっくり腰をすえて、ハワイ島のユニークな自然を肌で感じることのできるような写真を撮りたい…。

ハワイから戻った6月上旬、2週間留守にした間に、アンカレッジ周辺も見事な新緑につつまれていた。短い夏がアラスカの最も美しい季節。自然写真家にとって忙しい季節がやってきた。

次回は、アラスカの原野の写真を掲載予定。

 

2013年8月6日火曜日

ビッグ・アイランド(ハワイ島)②プナルウ黒砂海岸のアオウミガメ

 
ハワイのシンボルとして描かれているアオウミガメ(ハワイアン・グリーン・シー・タートル)は、ハワイ語でホヌと呼ばれていて、ハワイ諸島では古くから海の守り神として崇められているとのことだ。海岸開発などにより一時期は数が減ったものの、現在では絶滅危惧種にも指定されて、保護されている。
 
ハワイ島、プナルウ黒砂海岸はこのアオウミガメが浜辺に集まり甲羅干しをする場所のひとつとして知られている。そのプナルウ黒砂海岸に着いたのはそろそろ日が暮れる頃だったのだが、幅1メートル以上もある巨大な海亀が2頭、砂浜で日干しをしていたのだ。数時間ほとんど動くこともなく、目を閉じて同じ場所にとどまっていた。波打ち際にはさらに数頭の亀が浜辺に向かって泳いでいた。人間一人が乗れるような大きさだ。大人の亀は100キロから250キロほどまで成長するという。しかも70-80歳ぐらいまで生きるとのことだ。

この大きな亀はこの岩場で夜が明けるまで一晩動かずに眠っていた…。
 
翌朝、3頭の亀が潮溜まりの中を泳いでいた。彼らは全く人間を恐れない。潮が満ちて、外海に出られるのをじっと待っているようだった…。

海亀キス?

このプナルウ黒砂海岸は、海亀が集まる場所というだけではなく、自然風景もすばらしい。火山活動によって生まれた漆黒のビーチを取り囲むように茂るココヤシは楽園のような独特の雰囲気を出している。
 
神秘的な雰囲気の漂う池がビーチの後ろにひっそりとたたずんでいる…。

次回はビッグ・アイランド(ハワイ島)③ジャングルと滝