2017年1月30日月曜日

アラスカ・デナリ国立公園の野生動物


 北米の最高峰・デナリ(マッキンリー山)で知られるデナリ国立公園は、野生動物の聖地としても有名だ。6,000,000エーカーにも及ぶ広大な原野には、大小さまざまな動物が野生のままに生息している。8月下旬、秋のデナリの動物たちは、間もなく訪れる長い冬に備えて、食欲旺盛。この時期の動物たちは厳しい冬に向けて体脂肪を蓄え、厚い毛皮に包まれる。ムースやカリブーなどのシカ類はこの時期に立派な角が完成する。野生動物の最も美しい姿を撮影するのには最高の季節だ。

 国立公園では野生動物が完全に保護されているため、動物たちも頻繁に行き交うシャトルバスを見慣れてしまっている。グリズリーベアが公園内の道路を堂々と歩くことも珍しいことではない。この大きなカリブー(トナカイ)もパーク・ロードのすぐそばで草を食んでいた。

 野生動物のクローズ・アップを撮影できるのは魅力的だけど、個人的には〝雄大な自然風景の中に生きる動物たち″をイメージした写真を好んで撮影している。こちらは、デナリ(マッキンリー山)を背景に紅葉の丘を歩くグリズリー。

 紅葉のツンドラにて、ムース(ヘラジカ)の雄姿。朝日に輝く丘。

 鮮やかな紅葉の中をさっそうと歩くムース。

 ポーズを決めるホッキョクジリス。

紅く染まるツンドラの谷を駈け抜くカリブー。

次回もまたデナリ国立公園からの写真を掲載予定。2週間後ぐらいにチェックしてください!



2017年1月15日日曜日

マウント・デナリ(マッキンリー)-アラスカ・デナリ国立公園


8月下旬、紅葉真っ盛りのデナリ国立公園の撮影のためにキャンプをした。赤く染まるツンドラの丘にそびえる北米最高峰・デナリの白い峰を撮影するために数日間滞在した。夕日に染まるデナリの姿を一回でも撮影できることを願って、悪天候にも備えていたけれど、普段雲に覆われているアラスカ内陸の大地が奇跡的な晴天に恵まれた。全5日間、デナリの白い峰は雲に隠れることなく全貌をさらし続けたのだ。おかげで場所を変えながら、5晩日没の撮影に成功した。デナリの北壁はもちろんのこと、角度を変えて他の場所からの撮影もできた。

 アイルソン・ビジターセンターからの眺めも有名だけど、ビジターセンター背後の峰からの眺めはまた格別だ。デナリの峰を含めて、アラスカ山脈が一望に見渡せ、網の目のように流れる川、紅葉に染まった丘が広がる。見渡す限りの原野だ。

 もう一か所、お気に入りはストーニー・ヒルから見えるデナリだ。デナリ国立公園を訪れるビジターたちは公園入口から一本道をシャトルバスに乗って奥へ奥へと向かっていくのだけれど、なかなか北米最高峰にお目にかかれない…。約3時間砂利道に揺られて、この丘を曲がると突然デナリ(マッキンリー)全体が、まさに〝ジャーン!″という感じで姿を現すのだ。(晴れていればの話だが。)すでに15年も前のことだけど、初めてデナリ奥地に足を運んで、この丘を曲がった時の感動は今でもはっきり記憶に残っている。

 シャトルを降りてこの丘で撮影をした。雲が流れ、ツンドラの丘に波模様の影を落とす。白い峰を照らす太陽光が少しづつ角度を変えていく…。シャトルバスが行き交い、多くの観光客たちが、北米最高峰の雄姿に息を飲む。あっという間に数時間過ぎた。はるか下方の谷を行くバスが停まり、それに続く数台も停まる。野生動物が近くにいる証拠だ。黒い点が、砂利道をゆっくりと動いているのが見える。グリズリー・ベアだ!さらに数台のバスが加わる。デナリ観光のハイライト、グリズリーがバスのすぐ近くに現れた。カメラを向ける観光客たちを尻目に、グリズリーはゆっくりと丘を登り始める。小さな黒い点は眼下の丘の陰に隠れ、停まっていたバスが動き始める。次に姿を現した時には、黒点が大きくなり、見る見るうちにこちらの方に向かって走ってきた。念のため機材を片付け、近くに停まっているシャトルバスの方へ向かう。バスの運転手が乗客に向かって中へ入るように促す。グリズリーの巨体はすでにバスのすぐ近くまで来ていた。急な丘をあの巨体で、なんという速さで移動できるのだろう。そのままグリズリーはバスの後ろを回り、道を横切り、背後の丘に消えていった。

こちらは、当日の朝撮影したグリズリー。

次回もデナリ国立公園からの写真を紹介予定。ぜひ、2週間後ぐらいにチェックしてください。