2013年10月24日木曜日

アラスカ州ランゲル・セントエライアス国立公園の紅葉


10月から11月といえば、紅葉の美しい季節だ。北米や日本、北半球の世界各地の山々が鮮やかな秋の色に染まる。ここアラスカでは、短い夏の終わりと共に、8月下旬から樹木が色付き初め、9月の半ばにはピークを迎える。

9月の良く晴れた日、アラスカ東部にあるアメリカ最大の国立公園、ランゲル・セントエライアス国立公園に撮影に出かけた。アラスカ東部の原野を覆うシラカバ(Birch)が、青空の下、明るい黄金色に輝いていた。
 
大地を覆うツンドラや低木が明るいオレンジ色から紅色に染まる。短い夏の間に、グングンと成長し、花を咲かせ、実をみのらせた草木が、最後のフィナーレとばかりに華麗な姿を披露する。北の大地特有の短いが美しい瞬間だ。

黄葉のシラカバとマウント・サンフォード

見事な紅葉に囲まれたキャビン。

ランゲル・セントエライアス国立公園の一角、ナベスナにて1930年代に金が発見された。当時の廃鉱(Rambler Mine) が残っているけれど、どことなく不気味な雰囲気が漂う…。

2013年10月12日土曜日

ヘラジカ(ムース) - アラスカ

 
アラスカをはじめ、北半球に生息するムース(moose)ことヘラジカはシカ科の中では一番大きな動物だ。大きいものだと肩高で230cm、体重800kgを超えるという、牛や馬に匹敵する大きさだ。本来、北の厳しい原野に住むというヘラジカは、アンカレッジ市内にも1,500頭も住んでいるという。その巨大なヘラジカは、街中を平然と歩き回り、住宅街を徘徊し、庭の草木を食べたり、交通の激しい道路を平然と横断したりしているのだ。アラスカならではの光景といえるだろう。
 
8月下旬から10月上旬にかけて、ヘラジカの繁殖期が訪れる。ヘラジカは一般的には単独を好む動物なのだが、この期間だけは別もの。ブルと呼ばれるオスのヘラジカは、この期間一晩中休むことなく、他のオスと繁殖権を求めて競い合う。
 
ヘラジカのオスの持つ巨大な角は、なんと毎年生え変わっているのだ。頭の上から、毛皮に包まれた角がゆっくりと顔を出し、夏の間に幅1-2メートルにも成長する。繁殖期になると角を包んでいた毛皮が剥がれて、硬い角が姿を現わす。この写真は9月中旬にアンカレッジにて撮影したもの。