2013年10月12日土曜日

ヘラジカ(ムース) - アラスカ

 
アラスカをはじめ、北半球に生息するムース(moose)ことヘラジカはシカ科の中では一番大きな動物だ。大きいものだと肩高で230cm、体重800kgを超えるという、牛や馬に匹敵する大きさだ。本来、北の厳しい原野に住むというヘラジカは、アンカレッジ市内にも1,500頭も住んでいるという。その巨大なヘラジカは、街中を平然と歩き回り、住宅街を徘徊し、庭の草木を食べたり、交通の激しい道路を平然と横断したりしているのだ。アラスカならではの光景といえるだろう。
 
8月下旬から10月上旬にかけて、ヘラジカの繁殖期が訪れる。ヘラジカは一般的には単独を好む動物なのだが、この期間だけは別もの。ブルと呼ばれるオスのヘラジカは、この期間一晩中休むことなく、他のオスと繁殖権を求めて競い合う。
 
ヘラジカのオスの持つ巨大な角は、なんと毎年生え変わっているのだ。頭の上から、毛皮に包まれた角がゆっくりと顔を出し、夏の間に幅1-2メートルにも成長する。繁殖期になると角を包んでいた毛皮が剥がれて、硬い角が姿を現わす。この写真は9月中旬にアンカレッジにて撮影したもの。