2015年10月3日土曜日

9月のオーロラ2‐ アラスカ、トック


 白夜の季節が終わり、夜の暗闇が戻ってきた8月半ばから、オーロラが活発に北の空を舞い始めた。9月に入って間もなく、明るいオーロラを求めて、アンカレッジから北へと向かった。フェアバンクス近郊に現れたオーロラは、休むことなく活発に空を駆け巡った。(前回のブログ)

 翌日、アラスカ東部、カナダ国境近くまでやってきた。雲一つない青空の下、人里から遠く離れた丘の上にキャンプを設置して、オーロラを待つ。 地平線にゆっくりと陽が落ち、空が薄暗くなり始めるのを待っていたかのように、オーロラはすでに北の空に弧を描いていた。空が暗くなるにしたがって、オーロラは明るさを増し、ゆらゆらと動き始めた。光はカーテン状になって空を横切り、反対側の地平線まで伸びきった。

 まるで、極北の川を登るサケのような形になった。

その夜も、明るいオーロラは一晩中、休むことなく動いていた…。

 火山の噴火のように、大地から湧き出す激しい緑色の光。

 天空で炸裂するオーロラ。

 明るく激しい光が、休みなしに動いている。

不死鳥のようなオーロラ。

見事なオーロラは、空一面に広がる…。

内陸アラスカの大地は紅葉の真っただ中。短い夏の間に成長した植物が、燃え尽きる最後の輝きとばかりに大地を鮮やかな紅色に染める。北の地が最も美しく輝く季節だ。まだ冬の訪れには少し早い。この時期のオーロラの撮影は、寒さを気にせず楽しめるのがいい。

次回は、紅葉に染まるアラスカの原野の写真を紹介予定。一週間後ぐらいに、またチェックしてください。