ハワイというと、〝海とビーチ″というイメージかもしれないけれど、じつは熱帯ならではの魅力的な自然風景が、島中に散らばっているのだ。数年間撮影を続けてきたアラスカや、アメリカ本土の自然とは異なる、ハワイならではの自然風景がとても新鮮に見える。しかも年間通じて気候がいいから、休むことなしに撮影に出かけてしまい、編集はそっちのけ、気が付いたらあっという間に半年が過ぎてしまった。7月のハワイは真夏、常夏のハワイとは言えども、わずかながら季節の変化はあるようで、この季節は湿気が多くて蒸し暑い日が続いている。そんなわけで、最近はエアコンのきいた部屋で、写真の編集をする日が多くなった。
ハワイの自然風景の中でも、特に深い緑の茂る熱帯雨林と滝のある風景に惹かれている。有名なワイキキ・ビーチから約30分足らず内陸へ走ると、まるで別世界。雨の多いマノア渓谷には緑の巨木がうっそうと茂り、まさに〝ジャングル″の世界だ。落差約60メートルのマノア・フォールも美しいけれど、個人的には滝よりも谷中に広がる森の圧巻的な風景に魅力を感じた。
滝を囲む密林の雰囲気を撮影をするために、イメージに合った場所を探し渓谷を歩く…。流れの中に三脚をセットして、雲の間から薄日が差すのを待ち続けた。待つこと約1時間、撮影が終わるころには、両足とも蚊に襲われていた。
マノア・フォールまでは簡単にたどり着いてしまったから、さらにその先に続くトレイルを探索。深い森の中に続くトレイル沿いに、竹林が現れた。ハワイの各地にはなぜか自然の竹林が存在して、アメリカとアジアの文化を融合させたような独特の神秘感が漂う。またしても、蚊の大群に襲われながら、ここで撮影。
雨の多いジャングルの小道は、先に進めば進むほど泥だらけ。森が開け、ヌウアヌ渓谷(Nu'uanu Valley)を見下ろす崖っぷちに到着。見渡す限り、緑!人口の密集したホノルルの近くに、こんな未開の谷が残っていることに驚きだ。
トレイルからマノア渓谷に戻ると、谷に生い茂る巨木の高さに改めて圧巻。自然の芸術が空をおおいつくしていた。この雰囲気を出すためには、カメラを空に向けて撮影。何度もトライして、首が痛くなるころにやっと気に入った一枚が撮れた。
それでは、ここで、ハワイならではの海の風景を一枚。オアフ島南部のサンディ・ビーチから、日の出前の瞬間です。これからも、南国特有の自然写真をアップしていきますので、ぜひまたチェックしてください。
来週から、熊の撮影のためにアラスカへ向かいます。アラスカ南西部、マクニール川自然保護区への滞在許可証を手に入れました。アラスカ南西部、カトマイ国立公園の北に位置する、マクニール川自然保護区には、遡上する鮭を求めて、野生のヒグマが集まってきます。ピーク時の7月下旬には70頭を数えることもあるとか…。野生の熊を撮影することはライフワークの一つであり、マクニール川自然保護区を訪問することは長年の夢だったので、気合を入れて頑張ってきます。戻り次第、ご報告しますので、よろしく。