夕暮れの迫るメンデンホール氷河にて、友人のTJ と撮影をしていた。ここ数日間、周辺にクマが出没しているらしいという話を耳にした。ブラックベアとブラウンベア〔グリズリー〕両方を見たという話も聞いた。クマに出会いたいと思う反面、バス2台分の観光客が去ったばかり、あまり期待はしていなかった。TJが、”Bear..." と言った時、単に冗談を言っているだけだと思った。
”そうね、じゃあクマを探してきてよ。”と軽く答えると、”そこにいるよ。”と私の後ろを指差した。
振り向くとクマがいた!若いブラックベアが30メートル程後ろにいた。
クマはゆっくりと逆の方向に歩き始めた。
木に咲いている花に興味を持ったようだ。2本足で立ち上がり、前足で枝を引っ張り、花を食べ始めた。オレンジ色の夕日の中で、しばらくの間戯れていた。

そしてクマはゆっくりと歩き出し、茂みの中に姿を消した。

ジュノー滞在最後の日、特別な出来事だった。










ジュノーはまだ早春、氷河を囲む湖はまだ半分凍っていました。数週間前にはまだ完全に凍っていて、クロスカントリースキーで滑れたとか・・・。
その日の午後、ジュノー対岸のダグラス島にて。海の上に浮かぶようにそびえるメンデンホール氷河の眺めは最高でした。

フェリーがベリンハムを発つとすぐに、丘の向こうから雪山、マウント・ベーカーが姿を現しました。
北に行くほど日が長くなります。まだ5月だというのに、日没は8時過ぎです。北西の空がオレンジ色に染まり、太陽はゆっくりと海の向こうに沈みました。もう1隻のフェリーが夕日に向かっていくのが見えます。強風の中、ブレないようにカメラを構えて撮影しました。
翌朝、明るいオレンジ色の光で目が覚めたら、朝焼けで空が朱色に染まっていた…。あわてて、飛び起き、カメラを持って走りました。何とか日の出前に数枚撮影…。
残念ながら、日の出のすぐ後に太陽は厚い雲の後ろに隠れてしまいました。当日は1日中曇り、インサイドパッセージ特有の天気を早々と体験…。
フェリーはゆっくりとカナダ沿岸を北上し、アラスカに突入。ケチカン、ランゲル、ピータースバーグを経由して、5月4日ついに目的地ジュノーに到着しました。