2010年7月8日木曜日

ゴールドラッシュの面影の残る町・スキャグウェイ

ピータースバーグをフェリーで北上すること約20時間、フィヨルドの海の両側に険しい雪山が迫るLynn Canal(リン海峡)を通過し、ヘインズ経由でスキャグウェイに到着した。インサイド・パッセージ最北の町、ゴールドラッシュの面影の残るスキャグウェイは人口900人弱の小さな町だ。険しい山に囲まれたせまい平地に作られた町にはゴールドラッシュ時代の古き建物が修復され保存されている。スキャグウェイもケチカンやジュノーと並び、大型クルーズ船の寄港地となっているため、夏の間は小さな街の通りが観光客で埋め尽くされる。

スキャグウェイの主な部分はクロンダイク国立歴史公園に指定されている。ゴールドラッシュ時代の建物の中には、土産物屋やカフェなどが入り、ゴールドラッシュ時代の数倍にも上る観光客でにぎわっている。国立公園レンジャーによるウォーキングツアーに参加。

ゴールドラッシュ時代、3万人にも及ぶ人々が金鉱を求めてスキャグウェイを出発し、真冬の厳しい山道を越え、カナダ・ユーコン準州ドーソン・シティを目指した。1900年夏にはホワイトパス&ユーコン鉄道が完成したが、すでにゴールドラッシュは終わりに近づいていた。現在ではこの鉄道はスキャグウェイ観光の目玉となっており、海抜900mのホワイトパスまでの雄大な風景を車窓から楽しむことができる。

新緑のまぶしいスキャグウェイから列車は少しずつ標高を上げ、森を抜け、あたりは高原の雪景色に変わっていく…。ホワイトパスはまだ冬の終わり、大小さまざまな湖の大半はまだ氷におおわれていた。

終点フレーザー湖(Frazer Lake)に到着。短い休憩後、列車はスキャグウェイに折り返す…。

スキャグウェイのダウンタウンからのトレイルを登ることしばらく…。視界が開け、リン海峡、そしてチルカット山脈の雪山が見渡せた。夕日がゆっくりと沈むころ、山脈の頂上とその後ろの空が淡いピンク色に染まった。

日没の頃、大型クルーズ船が一隻づつスキャグウェイを去っていく…。スキャグウェイの町が静けさを取り戻す。

3週間にわたる南東アラスカの旅が終わりに近づき、ジュノーを経てついに最終目的地グレーシャー・ベイ国立公園に到着する。