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2014年2月25日火曜日

楽園のイメージ ハワイ島の海亀


半年ほど前に初めてハワイを訪れて、南国特有の自然を初めて撮影した。それ以来、ハワイでぜひ撮りたい画像があった。暖かい夕日に染まる海と夕日に照らされた海亀-そんなイメージに合うロケーションを調べ続け、再びハワイへ舞い戻った。

12月初旬、厳しい寒さと長い夜の続くアンカレッジから、ハワイ島のコナヘ飛んだ。わずか6時間のフライトで、太陽がさんさんと降り注ぐ常夏の島に到着。

日没まで約2時間、ハワイ島西海岸、コナから20分ほどのビーチを訪れた。この時間はちょうど潮が引いていて、海底に眠る古い溶岩が露出していた。漆黒の岩肌を覆う藻が鮮やかな緑色をバックに加えてくれた。

潮溜まりの縁に海亀を発見!よく見るとまだまだ複数の亀たちが、岩辺に点在する潮溜まりの近くで休んでいた。

1頭1頭の亀を訪ねて、周辺の環境から、後ろの風景までゆっくりと観察。その中から、モデルになる1頭を選出。その海亀を取り囲んでいる潮溜まりの配置が気に入った。太陽は西の空に傾きはじめていた。他の野生動物と違って、海亀はほとんど動かない。写真撮影にはありがたいモデルだ。三脚を立て、慎重に構図を選ぶ…、その間この海亀はゆっくりと目を開け、スローモーションで首だけを動かし、またゆっくりと目を閉じただけだった。

太陽が水平線に近づくにしたがい、空の色が黄金から明るいオレンジへと変わった。小さな雲を通して、光が光線となり、海を照らした。空の色は刻々と変わっていく。

日没直前に、ラベンダー色の光が辺りを染めた。自然が見せてくれる神秘的な瞬間だ。赤道に近い南国での日没はあっという間だった。

2013年8月23日金曜日

ビッグ・アイランド(ハワイ島)③ジャングルと滝

 
ハワイといえばビーチというイメージが真っ先に浮かぶところだけど、ビッグ・アイランドことハワイ島には、荒々しい溶岩の台地から、深い緑に覆われたジャングル、さらに高さ4,000メートルを越える山まで、変化に飛んだ自然がひとつの島の中に収まっているのだ。

ハワイ島の東海岸側は年間降水量3,000mmを超える雨の多い地域。豊富な降水量と温暖な気候のため、植物は年間通じてグングンと成長するのだ。いままでいろいろなところを旅して、様々な自然の形を見てきたつもりだったけど、本物の熱帯雨林を目にするのは実は初めてだった。深い巨木に覆われた谷、垂れ下がるツル、巨木を取り巻くツタ、鬱蒼と暗い台地を覆うシダ類…、ひとくちに緑といっても無数の緑色の種類がある。この圧倒的な森の姿を写真で伝えることができるのだろうか…。
 
またこの辺り一帯の熱帯雨林には、緑の間を縫うように無数の滝が流れ落ちる。ハワイで最も有名なアカカ滝(Akaka Falls)もここハワイ島東海岸にある。緑の苔に覆われた断崖から垂直に落差134メートルという圧巻。滝つぼにはうっすらと虹がかかっていた。楽園という言葉がぴったり来るような、現実離れした光景だった。
 
落差30メートルのカフカ滝。

ハワイ島の自然の素晴らしさに、すっかり見せられてしまった。今回は移動が多く、各所の撮影にあまり時間を取れなかったのが残念。次回はもっとじっくり腰をすえて、ハワイ島のユニークな自然を肌で感じることのできるような写真を撮りたい…。

ハワイから戻った6月上旬、2週間留守にした間に、アンカレッジ周辺も見事な新緑につつまれていた。短い夏がアラスカの最も美しい季節。自然写真家にとって忙しい季節がやってきた。

次回は、アラスカの原野の写真を掲載予定。

 

2013年8月6日火曜日

ビッグ・アイランド(ハワイ島)②プナルウ黒砂海岸のアオウミガメ

 
ハワイのシンボルとして描かれているアオウミガメ(ハワイアン・グリーン・シー・タートル)は、ハワイ語でホヌと呼ばれていて、ハワイ諸島では古くから海の守り神として崇められているとのことだ。海岸開発などにより一時期は数が減ったものの、現在では絶滅危惧種にも指定されて、保護されている。
 
ハワイ島、プナルウ黒砂海岸はこのアオウミガメが浜辺に集まり甲羅干しをする場所のひとつとして知られている。そのプナルウ黒砂海岸に着いたのはそろそろ日が暮れる頃だったのだが、幅1メートル以上もある巨大な海亀が2頭、砂浜で日干しをしていたのだ。数時間ほとんど動くこともなく、目を閉じて同じ場所にとどまっていた。波打ち際にはさらに数頭の亀が浜辺に向かって泳いでいた。人間一人が乗れるような大きさだ。大人の亀は100キロから250キロほどまで成長するという。しかも70-80歳ぐらいまで生きるとのことだ。

この大きな亀はこの岩場で夜が明けるまで一晩動かずに眠っていた…。
 
翌朝、3頭の亀が潮溜まりの中を泳いでいた。彼らは全く人間を恐れない。潮が満ちて、外海に出られるのをじっと待っているようだった…。

海亀キス?

このプナルウ黒砂海岸は、海亀が集まる場所というだけではなく、自然風景もすばらしい。火山活動によって生まれた漆黒のビーチを取り囲むように茂るココヤシは楽園のような独特の雰囲気を出している。
 
神秘的な雰囲気の漂う池がビーチの後ろにひっそりとたたずんでいる…。

次回はビッグ・アイランド(ハワイ島)③ジャングルと滝



2013年7月16日火曜日

ビッグ・アイランド(ハワイ島)①ハワイ火山国立公園

 
5月下旬、遅い春がやっと訪れようとしているアラスカから、常夏のハワイへ撮影に出かけた。初めてのハワイだ。これまでアラスカはもとより、全米各地を旅してきて、北米特有の山岳地帯、原野ばかりに目を向けてきたのだが、なぜか今になって南太平洋の独特の風景、熱帯雨林を撮りたくなった。

ビッグ・アイランド(ハワイ島)はハワイ全6島の中でも1番大きい島なのだが、現在でも活動を続けているキラウェア火山を含むハワイ火山国立公園をはじめ、頂上に雪を抱くマウナケア、深い熱帯雨林、ジャングルから流れ落ちる無数の滝、黒い砂のビーチ、さらにハワイ特有の野生動物などなど、2週間の滞在ではカバーしきれないほどのバラエティに富んだ自然が島全体にぎっしりと詰まっている。
 
今回のメインのひとつはもちろんハワイ火山国立公園だ。数年にわたって活動中の2つの活火山、マウナロアとキラウェア火山。激しい噴火の際に流れ出した溶岩、噴火口の数々、溶岩洞窟など、見所はつきない。噴火活動は数年前と比べれば落ち着いたものの、キラウェア火山頂上のハレマウマウ火口からは今でも灼熱の溶岩を噴出している。夕暮れ後の闇の中に赤く輝く火口、上空にきらめく無数の星…、これまでに体験したことのない自然の神秘的な瞬間を感じた。

一帯を飲み込んでしまった溶岩が見渡す限りどこまでも広がっている。家を失ってしまった人たちには申し訳ないのだが、偉大な自然の創り出した芸術にはただただ感心するばかり…。
暖かい夕日に照らされた溶岩…。
 
溶岩の割れ目からは新しい命が芽を出していた。
 
 溶岩のトレイルは、黒い砂の海岸で行き止りだった。

次回、ビッグ・アイランド(ハワイ島)②プナルウ黒砂海岸のアオウミガメにつづく…。